溶連菌とは、正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、主にのどに感染する病気です。
こどもに多い病気で大流行しますが、一緒に生活している親にも感染してしまうこともよくあります。
症状として、下記のようなものがあります。
●咽頭炎
●扁桃腺炎
●38~39度の発熱
●手足に紅い発疹
●イチゴ舌(舌にぶつぶつができる)
●頭痛、腹痛
●首筋のリンパ節が腫れる
溶連菌には潜伏期間があり、感染してから2~4日で症状が出始めます。風邪の症状によく似ているので間違われやすいですが、検査は10分ほどで終わりますので、近くに溶連菌の疑いがある人はその旨を医師に伝えましょう。
ほとんどが、溶連菌を含んだ咳や唾液を吸い込むことによる、飛沫感染と言われています。また、その感染者の溶連菌によって汚染された食品も原因のひとつです。
●抗生物質の服用
薬を飲み始めて、2~3日で熱も下がり、のどの痛みも引いてきます。発疹が出ていた場合は、皮がむけてくることもあります。
●抗生物質の注意点
症状が治まったからといって、すぐ服用をやめてはいけません。溶連菌を確実に退治しなければいけないので、5~10日間は飲み続けましょう。そうしなければ、重大な合併症を引き起こす可能性があります。
普通の風邪は年間を通してよくみられますが、インフルエンザは日本では11月から3月頃に流行します。
風邪の症状
●軽度の発熱(37~38度)
●くしゃみ
●鼻水・鼻づまり
⇒上気道症状
インフルエンザの症状
●高熱(38度以上)
●全身の倦怠感
●食欲不振
●頭痛
●筋肉痛
●関節痛(節々が痛む)
風邪の原因はウイルスによる感染が多く、ラテノウイウルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどがあります。上記のウイルスが花粘膜から咽頭粘膜に感染し、増殖することによってあらわれる症状を上気道感染症(かぜ症候群)と呼びます。一方、気管から呼吸細気管支まで移行したことによる、気管支炎や肺炎は風邪には含まれません。
インフルエンザの原因は、インフルエンザウイルスが呼吸とともに鼻やのどに入り込むことによって感染します。体内に侵入すると、潜伏期間中に急激にウイルスが増殖しその後発症します。
体力や免疫力が低下している高齢者や、糖尿病の方、心臓や呼吸器などに持病がある方は個人差はありますが、症状が重篤化しやすく、様々な合併症を起こしやすいです。
●肺炎
●気管支炎
●脱水症状
●認知症の悪化
●手洗い、うがい
●マスク
●湿度を50~60%に保つ
●アルコール消毒
●水分を十分にとる
●人混みへの外出を控える
●十分な睡眠、栄養を取る
インフルエンザは感染力が高く、予防を行っていても感染する可能性は十分にあります。インフルエンザの最も確実な予防法のひとつはインフルエンザワクチン接種です。流行する前の10月から11月に接種することをお勧めします。
ノロウイルスとは、急性胃腸炎を引き起こすウイルス性の感染症です。一度かかっても長期免疫が成立いないため、何度も感染します。流行は冬季に多発し、乾燥や熱にとても強いです。
●腹痛
●下痢(水様性)
●吐き気
●嘔吐
●筋肉痛
●頭痛
感染経路のほとんどは経口感染です。
●ノロウイルスに汚染されている食品を食べる
(主に貝類を加熱不十分で食べること)
●感染した人が触れて汚染された食品を食べる
●感染した方の排泄物や嘔吐物による二次感染
●飛沫感染
食中毒といえば、夏にかけて流行するイメージがありますが、ノロウイルスは、冬場の方が流行します。原因食品が特定されたものでは、カキ、シジミ、アサリ、ハマグリ、ホタテなどで、加熱を十分に行いましょう。
ノロウイルスが大流行する原因は、人から人への飛沫感染です。排泄物や嘔吐物の適切な処理が必要です。
●処理をする人以外は立ち入り禁止。
●感染防止のためのマスク、靴カバー、ガウン、手袋などをつけて処理を行う。
●次亜塩素酸ナトリウムで、効果的な殺菌剤を使用する。(壁や床も洗浄する)
●十分に換気をする。
●処理後は手を2度洗い、うがいもする。
排便回数が週に3回以下と少なかったり、1回の排便量の減少などにより、排便困難を伴うことを言います。
●便が硬いので、排便時に痛い。
●毎日出ていたとしても、すっきりしない。
●お腹がはる・痛い。
●残便感…便を出した後に、まだ残っているように感じる。
●便がもれる
排便が起きるのは、大腸が動くことによって便を直腸まで送り出し、直腸肛門機能によって排便反射が起きることで排便します。この、大腸が動く機能が低下したり、排便反射が低下することで便秘になります。
便秘の原因は様々あります。
●食物繊維不足。
●運動不足。
●ストレス。
●お風呂はシャワーのみ。
●トイレに何回も行くのが面倒なため、水分をこまめに摂らない。
●1日中パソコンに向き合い座りっぱなし。
●排便時にウォシュレットで刺激している。
●トイレに行かずに我慢をする。
便秘は、実は重い病気の初期症状である可能性もあります。
●大腸・直腸がん
●子宮筋腫・卵巣のう腫
●腸閉塞
上記の病気以外にも、疑われる病気が多くあります。いつもの便秘と思っていないで、検査をするのがおすすめです。
上で述べた、習慣的な原因を改善していくことが重要になってきます。
●食生活の改善…肉類やファストフードを控え、海藻や発酵食品を摂る。朝食を食べる。
●運動…毎日運動することが難しい人は、ウォーキングだけでもするようにする。
●便秘薬に頼り過ぎない。
●生活習慣の改善…夜更かしをせず、朝にトイレに行く習慣をつける。
●肛門が痛い
皮膚炎の可能性があります。便は皮膚を刺激しやすい性質のため、特に湿疹やアトピーがある方は肛門にも皮膚炎を起こしやすいです。また、足の水虫がうつる肛門部白癬(はくせん)、カンジダ症が広がってくる肛門部カンジダ症の可能性もあります。
●便が出にくい
一生懸命いきんでも便が出ず、出たとしてもほとんど出ない場合、内痔核・直腸脱、直腸瘤(ちょくちょうりゅう)、肛門狭窄が考えられます。
●肛門から血が出る
排便時に紙に血が付いたり、肛門からポタポタ便器にたれたりする場合、内痔核や裂肛が原因の可能性があります。また、歩いている時にこすれて、下着に血が付いたりする場合は直腸脱で脱出していることがあります。便に血液が混ざっていたり、便が出なく血液だけでているという症状は、痔核や裂肛以外に、重い病気の可能性があります。大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、放射線性腸炎、虚血性大腸炎、虚血性大腸炎や大腸憩室出血などで、直ぐに検査を行ないましょう。
様々な病気が考えられるので、症状をみて、検査を行ないます。
排便時の出血がある場合、痔によるとは限らないため、大腸内視鏡検査を行ないます。痔の患者さんが、実は大腸がんで早期発見できたという方もいます。
直腸脱はお薬で治療することは難しく、多くの場合手術が必要になってきます。
直腸瘤は甘く見ず、早急に対応を行いましょう。薬物療法がありますが、排泄困難が解消しない場合は手術を行います。
肛門病は、実は重い病気が隠されている可能性が高い病気です。恥ずかしがらず、自身で判断せず、まずはお気軽にご相談下さい。